◆粗食のススメ◆
確か、母乳育児についてネットでいろいろ検索していた時に見つけたのだったと思います。
幕内秀夫さんの本がお薦めだと、あるお母さんが書いていたのですが、その記事がとても気になり、数カ月後に本を購入しました。
それまでも、旦那さんが自然農を習いに行くようになり、食について旦那さんがいろんなことを教えてくれるようになったおかげで、これまで考えなかったことを様々考えるようになっていましたが、私にとって食について考えるようになった最も大きな要因が、息子のダウン症です。
ダウン症の子は肥満になりやすいそうなのです。
幸か不幸か、私や私の実家の家族はみんな痩せ型で、肥満とは無縁でした。
そのため、これからの育児において「食」というものへの取り組みが、自分の経験だけでは補えないなぁ、と考えていたのです。
幕内さんの本には、戦後の食生活および栄養学の歪みが書かれていました。
なるほど、と私は納得できました。(詳細は本を読んでね。)
そして、目からウロコだったのが、日々の食生活は『粗食』が一番だということでした。
毎日30品目を食べよう!なんてのは、母親にとっては非常に負担です。
お料理が大好きで大好きで…という人なら別かもしれませんが、毎日毎日30品目もの食材を使っての料理なんて不可能です。
そして、和食が良いということも分かっていますが、朝の忙しい時に和食の朝御飯を用意するのなんて、私には無理だと感じていました。
しかし、幕内さんは教えてくれました。
- 米食とお味噌汁とお漬け物、番茶・麦茶(子どもはお水)が基本。
- ご飯をたくさん食べて、野菜や卵、魚や豆などのおかずは少しでヨシ。常備食を用意しておけば、とても楽々。
- ご飯は分つき米にする。5分つき米が扱いやすさからもオススメ。(玄米だと子どもには栄養過多で、食が極端に減ることが多いらしい。)
- お昼はうどんやそばなど「ひらがな主食」。おやつは「ひらがなおやつ」。おむすびとかお芋とか。お砂糖・油たくさんのおやつはダメダメ。
- 「カタカナ食」はなるべく避ける。カタカナ食は油をたくさん使うため。
- 子どもは大人より本能が退化していないので、子どもが食べたがらない野菜を無理強いしなくて良い。子どもはピーマンやセロリなどのカロリーが低い野菜は食べたがらないのが普通。無理強いすると食事嫌いになってしまうことも。
- 今はみーんな食べ過ぎ。腹八分にしましょう。
日本人は戦前まではみんな粗食で元気に生きていたんです。
宮沢賢治も「雨ニモマケズ」に書いてますね。
『一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ』って。
ご先祖様がずーっとこういう食生活をしてきたのですから、そういう身体になっているんですね。私たちは。
お肉や牛乳から栄養を摂る西洋人は、もともとヨーロッパの寒冷地に住んでいて、そういう食生活にならざるを得なかったからで、私たち日本人には必要のないものなのです。
(たまに食べたってもいいけど、西洋風の食生活が基本というのは身体に合わないってことです。)
もともと和食が好きな旦那さんなので、私が幕内さんの影響で『和食の粗食』を作ることが多くなってきて喜んでいます。
私のオカンは料理が上手で、いつもたくさんのおかずを用意してくれていました。
そのため、私もおかずはたくさん用意しないといけないんだ、という感覚があったのですが、それではやはり大変だったんです。
粗食が良いと知ってからは、食事の準備も以前より楽になったし、粗食だからこそ、より野菜など食材のことが気になるようになりました。
母親たちが農薬のこと環境のことをより深く考えるようになると、子どもたちにも良い影響があると思うのは私だけではないはずです。
とは言っても、私はパンは大好きだし餃子だって食べたいし、ビーフシチューだって食べたいです。
身体に悪いって分かっていても、ポテトチップスも食べたくなるしプリンだってケーキだって食べたいです。
なので、完全な移行はしていません。
病気などで切羽詰まってるならば、いきなりマクロビオティックに切り換えるということもあると思うのですが、おかげさまでそんな状態ではないので、お肉や甘いものは少しずつ減らすというやり方をしています。
それでも、基本が『和食の粗食』であることには違いありません。
もともと分つき米は食べていたのですが、7分つきでした。
それを朝昼晩と5分つき米を食べるようになったら、ウンチの量が増えました。
食物繊維がいかに豊富かとあらためて自分の身体で知りました。
腸が長い日本人。西洋人よりも多くの食物繊維を摂らなければ大腸ガンになりやすくなるそうです。
お米を分つき米にするだけで、かなりの食物繊維を摂ることができるのですから、『ごはんをたくさん食べる和食の粗食』スタイルはとても良いと思います。
もちろん、これは『ケ』の食事です。
『ハレ』の食事と『ケ』の食事を分けるという考え方をすれば、より食事に対して子どもたちも喜びを得ることができるような気がします。
今の子どもたちって、ケーキをあまり喜ばないんですって。
いつでも食べられるから、だそうです。
やはり『ハレ』と『ケ』を分けた生活って大切な気がしますね。