◆ダウン症とは◆
ダウン症とは、突然変異の染色体異常により現れる症状や体質のことです。
●ダウン症の種類と発生頻度
ダウン症では、通常は46本であるはずの染色体数が47本になっています。染色体の中でも一番短い21番染色体が3本になっているのです。
ダウン症には以下のように3つの種類があります。
- 標準型21トリソミー(ダウン症全体の90ー95%)
- 卵子または精子になる以前の『減数分裂』時に偶発的に染色体の不分離が起こり、22本であるはずの染色体が23本になります。通常、両親の染色体数は正常です。
- モザイク型(ダウン症全体の1ー3%)
- 21トリソミー接合体や正常細胞接合体での体細胞分裂における不分離で生じます。つまり、身体を構成する細胞の一部がトリソミーになっています。このような場合は完全型に比べて臨床像は軽くなります。通常、両親の染色体数は正常です。
- 転座型(ダウン症全体の5%ー6%)
- 21番染色体が付随体をもつD群(13、14、15番)またはG群(21番22番)のひとつと付随体同士の融合により生じます。転座型の半分では両親の染色体は正常です。あとの半分は遺伝性転座で片親に転座染色体保因者が見らます。
初期流産の原因の多くが染色体異常らしく、染色体異常というものは思った以上の確率で発生するもののようです。
多くの染色体異常胎児が成長できずに流産してしまう中、ダウン症の胎児は成長してくれることが一番多いそうです。つまり、ダウン症は出生児のなかではもっとも多い染色体異常ということになります。
一般にダウン症の出生頻度は、民族間などには差がなく、最近のわが国の統計では一般出生頻度は約1/1000です。
しかし、ダウン症の発生頻度は母親の加齢とともに出生頻度は高くなります。これは、母親の加齢によって卵子形成過程に起こる染色体不分離の増加の結果と考えられています。
ただし、過剰な染色体は母親由来だけでなく、父親由来のこともあり、母親由来と父親由来の比は4:1といわれています。
●ダウン症の特徴
ダウン症児は標準的に健常児より身体的成長に多くの時間がかかりますし、知的発達も遅れます。
ただし、個人差が非常に大きいです。
ダウン症の身体的特徴として、以下のものがよく見受けられます。ただし、これも個人差がとても大きいです。
- 筋肉の低緊張。(抱っこするとぐにゃっとする感じ。身体がとても柔らかい。)
- 頭を上から見ると、縦の長さが標準に比べて短い。
- あまり起伏が無い顔だち、鼻、特に目と目の間の部分が低い。
- 眼が切れ上がっている。まぶたが深い二重になっている。
- 耳の上の方が内側に折れ曲がり、丸い形の耳に見える。
- 首の周りの肉付きがよい。
- 指が短い。親指と人さし指のあいだが普通より少し開いている。
- 小指の間接が1つ足らない。
- 手のひらに猿線が見られる。
性格的傾向としては、古くから「陽気で人なつっこく社交的」「強情な面はあるが、率直で従順で好かれやすい」「音楽が好きで、模倣力に富んでいる」「情愛深く世話好き」「いたずら好き」などと言われています。
●ダウン症の合併症
ダウン症には以下のように様々な合併症がありますが、これも個人差がとても大きく、重い合併症を併発している子もいれば、ほとんど合併症が無い子もいます。
- 先天性心疾患(特に心内膜欠損症)
- 消化管の奇形
- 白内症
- 急性白血病
- 一過性骨髄異常増殖症
- 甲状腺疾患
- 点頭てんかん
- 眼の屈折異常(斜視、眼振、近視など)
- 浸出性中耳炎 ………など。
●息子の場合
息子は一番メジャーなタイプのダウン症でして、身体中の細胞内の核にいる染色体全てが47本ということになります。
ダウン症の身体的特徴としては、独特の顔つきと筋肉の低緊張があります。身体はとても柔らかいです。
また、耳の穴が小さいので、耳掃除は耳鼻科でお願いしなければなりません。(これがとてもイヤがる。泣いて怒る。)
内斜視も若干ありますが、そんなに気になりません。眼振も少しあります。
しかし、重篤な合併症はなく元気です。おかげで、ダウン症児としてはなかなか順調に成長していると小児科の先生にも言われています。
とても有り難いです。