◆◇◆ ヒプノセラピーの体験 ◆◇◇
ヒプノセラピーとは催眠療法のことです。怪しいショーの催眠術とは違います。

その1

とうとう手にした一冊の本

その本の存在は知ってたんです。前々から本屋で目にしてたので、気になってました。
しかし、何故か私の中の何か(別にオカルト的なことじゃなくて、直感みたいなもの)が「まだ時期じゃないよ。」と言うので、いつもその本の前を通り過ぎるだけでした。
その本のタイトルは「前世療法」。果たしてこれは人間の知識を超えた叡智を含んだ本なのか、それともイタイ本なのか・・・。タイトルだけではイタイ本のような気がしたのですが、それでも私はとても気になっていました。
そしてある日、とうとう私の中からOKが出たので、「前世療法」を購入しました。


それは「ある日、神が私に言いました。」という類の本ではありませんでした。それどころか、筆者はアメリカのバリバリの精神科医でした。つまり、立派な科学者さんなのです。
かいつまんで本の内容を説明しますと・・・。
先生は患者さんの治療の1つとして催眠療法を行っていました。しかし、ある患者さんの場合、何度やっても症状が改善しません。ちょっとイライラっとした先生は、「あなたの苦しみの原因まで遡ってください。」と、それは曖昧な誘導をしてしまいました。
するとどうでしょう。患者さんは古代エジプトの前世にまで行ってしまいました。クリスチャン(転生を信じてません)で科学者の先生には、にわかには信じられない出来事でした。
しかし、その後、やっぱり同じような出来事が何度も起こるうちに、先生もとうとう認めざるを得なくなってしまいました。
・・・と、いうものです。受け入れがたい事実に対峙する科学者の苦悩も読み応えあります。
科学者であるお医者さんが葛藤を超えて認めた「催眠で前世を思い出すことがある。」「その前世での出来事が現世にも影響している。」「前世での問題を思い出すことによって、現世の問題もクリアになり、心理的解決がなされる。」という事実は、読み手の私にも大きな衝撃でした。
そしてすぐに続編を読んで、自分の周りの人々とは、何度も何度も役割を変えながら一緒に生まれ変わってきてるのか・・・と、感慨深いものを感じずにはいられませんでした。

確かに、催眠で思い出した前世というものが「事実」なのかどうかを検証するなんて非常に困難です。(それでも、多くの科学者が頑張って検証してるので根性あるなぁ、と思うです。)
しかし、例えそれが「事実」ではなかったとしても、「本物」であることには違いないと思うのです。子供の頃の経験がトラウマとなってる人が、退行催眠で子供の頃のトラウマの原因の場面を思い出し、感情の再経験をし、自分は悪くないんだということを大人の自分が子供の自分に伝えることで、トラウマが生み出す問題を解決することができるように、前世での出来事を再体験し、再び感情を経験することで、抱えている問題を解決できた人が実際にいるのですから、その人が体験した「前世」はその人にとっては紛れもない「本物」だと言えると思うのです。
ただ、私自身はもともと輪廻転生を根拠もなく信じてましたので、本の内容に対するアレルギー反応はありませんでした。
「前世療法」を読んでも「そんなの、信じられない。」と思う人もたくさんいるでしょう。それはそれでいいんだと思います。なぜなら、今のその人には必要ではないからです。必要であれば、頭で信じてなくても心がこだわり続けると思います。(こういう状態って気持ち悪いですよね。)


とにかく、「前世療法」を読んで以来、私は私の中の「魂」を以前に増して意識するようになりましたし、周囲に対しての愛情も深くなった気がします。(気持ちとして、ね。態度はそんなに変わるわけないので。キライな人はキライなままだし。)

◆◇◆前世療法/前世療法2/魂の伴侶◆◇◆
   ブライアン・ワイス著
   PHP文庫(黄色い背表紙)から文庫本で出てます。

あたしはどうしたらいいんだろう?

けれども現実は容赦がありません。
いくら魂は美しく、不滅のものであろうとも、私の心は弱いままなのです。そしてそれは体にダイレクトに響いてくるのです。
心療内科への通院や鍼灸院への通院で、かなり自律神経のバランスは良くなってきましたが、それでもまだまだです。一度芽生えてしまった体に対する不安は、やすやすとは消えてくれません。それどころか、繰り返し繰り返し私の心の奥の方から手を伸ばし、自律神経にちょっかいを出します。
体が辛い時に「少し我慢すれば良くなるわ。」と思えなくなり、絶望感で涙が出ることもこの数年で多くなりました。10年以上も不定愁訴と付き合ってるうちに、「やりすごす」心が擦り減ってしまったんだろうなぁ、と感じます。体が辛い度に使っていた心の部分ですから、他の部分より減りが早いのも当然なのでしょう。
体質的な問題もあるので、100%の完治を望んでる訳ではないのですが、せめて自分の中にある自分の体に対する負のイメージを取り除きたいと思っていました。それができたら、心も体もかなり楽になるのは分かっているからです。
でも私はメンテナンスの方法を知りません。「もう、これ以上良くなることなんて無いんじゃないか。」と、心のどこかで思うようになっていました。

心の弱さや、体の辛さを経験したからこそ分かったことは沢山あります。
けれど、もうお腹いっぱいなのです。もう、そこから学ぶより、他のところから学びたいのです。肥大した不安(これを【くるくる】と呼んでます。)を小さくしたいのです。
では、あたしはどうしたらいいのか・・・。それがずっと分からずにいました。おそらく、見た目以上にかなりヘコんでたみたいです。



躊躇した末に

ちょっと前までならタウンページを開いてたんですが、今はまずインターネットで検索です。
私の【くるくる】の原因が前世にあるとは思ってませんが、悪循環で肥大し、手に負えなくなってきた【くるくる】を小さくする手段の一つとして、催眠療法(ヒプノセラピー)は効果があるのではないか、と思いました。
そこで、インターネットで検索したところ、催眠療法(前世療法)のサイトが思った以上に見つかりました。私の家から地下鉄ですぐのところにも、セラピールームが一つありました。

しかし、せっかく調べたにも関わらず、私はそこで立ち止まってしまいました。
セラピーに利用される催眠は怪しいものではありません。催眠状態と言っても、頭は冴えた状態になっているものです。
しかし、心の検閲が少し緩くなった状態になるため、過去に心の奥へと押し込めて見ないフリをしていたモノが湧いてくることもあります。(この心の奥の奥に押し込めてしまい、ずっとグズグズに煮えてしまったモノが心や体の変調を生み出している場合、「うわ。こんなモノがあったわ。」と自覚することが解決への道となるらしいのです。心に一つ、風穴が開くようなもんでしょうか?)
そのため、私の中からも「いやん。こんなモノがあった。」と、びっくりするものが出てくるかもしれません。それを考えると足が止ってしまったのです。
《ちょっと追加》
幼児期に虐待されたとかっていう意味ではないです。そこそこ普通の家庭で育ってますから。
ただ、今から思い返しても、明るい見た目とは違って、少々感受性の強い面がある子供だったため、いらんモノや事象にまで影響を受けてた覚えがあるんです。
自分でも変だなぁ、と子供心に思ったくらいですから。エキセントリックとまでは言わないでしょうけど、ちょっとばかり部分的に変わった内面構造をしてた気はします。
そういう理由もあって、「うわっ。こんなんが出てきた。」と思うこともあるかも、とビビってたんですね。
少し仕事が忙しかった時期や、体調がそれほど悪くない時期も重なったため、足が止ったまま、結局は半年以上も経ってしまいました。


けれども、やっぱりセラピーを受けようかな・・・・と、再び思うようになりました。
楽しいイベントを控えて、待ち遠しい気持ちが大きければ大きいほど、意味のない不安が比例して大きくなってしまい、【くるくる】が制御できずに体調を壊すことが、やはり情けなかったからです。
それに加えて、ある人の言動を見ていて、ふと思うことがあったからです。
あまりに考え方が違う人なので、いつもは「なんで、そんなふうに考えるんかなぁ?」と不思議に思うだけ(嘘。時々腹が立ってました。)でしたが、ある日、ふと「この人も、自分ではどうにもならない思考パターンに縛られて、悩まんでもええことを悩んで、自分を苦しめてるのね。かわいそうに。少しずつでも変われるといいのに。」と思ったのです。
そう思った途端、ハッとしました。「ああ。そっか。あたしも同じなのね。

他人から見たら、「そんなの、考え方を変えればいいのに。」と簡単に思うかもしれませんが、本人にしたら、そうは簡単には行かないのが考え方や思考パターンだと思います。
日々の積み重ねで生まれた思考パターンは、心の深いところ、意識の及ばない部分から、【そういう形】になってしまっていると思うのです。
ですから、表面部分だけ変えようとしても、なかなか変われないのです。
もちろん、表面での変化は心の奥の方へ徐々に浸透して行くでしょう。心の表面の動きと心の奥の動きは相互作用してるはずです。
けれど、心の奥の形の歪みがヒドい場合は、表面で変わろうと頑張っても、すぐにいつもの考え方へと引っ張られるんだろうな、と思うのです。
私の場合も、心の奥の方に刻まれてしまった不安の傷痕のため、いくら表面では前向きに考えてみても、そこから傷痕と同じ形の不安が湧き出して、【くるくる】になってしまうのでしょう。
心の奥の、意識の向こうをケアしないといけないんだな。そしたら、私の心の奥の【そういう形】も変わるかもしれない、と思ったのです。

そこで、またホームページ巡りをしていたところ、セラピストさん自身が初めて催眠療法を受けた時のことが書かれているサイトがあり、それを読んでいたら、ちょっと勇気が出てきました。
予約の電話をする直前まで、躊躇する気持ちはあったのですが、電話を切った後は、なんだかとってもスッキリした気分になり、セラピーの日が待ち遠しくなりました。



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