その4 ●お遍路のあと●

さて。
にわかお遍路の私たちも、なんとかスケジュール通りに88ヶ所を回り、結願することができました。
結願したら、何か特別な気持になるのかなー?なんて思ったりもしてましたが、そんなことはちっともありませんでした。
「おー。やったー。」という達成感くらいかな。
四国から和歌山に渡るフェリーの中で、横になってたオカンの瞼にお大師さまが見えたそうです。
オカンはえらい感激してましたが、私にはお大師さまは出てくださらなかったので、やっぱりコレと言った特別な感情は湧きませんでした。
高野山へのお参りで最後で、「うおーーーっ。ここは聖地なだけあるわー。」と、一大宗教街を眺めて、ある意味感動してましたが、それはちょっと俗っぽい感情でしたしね。

つまり、別に特別な宗教体験をしたわけでもなければ、めっちゃ信仰が厚くなった訳でもないのです。
(オカルト体験は、宗教体験じゃないからね。)
でも、やっぱり、何かが私の中で変容して行ったように思うのです。
劇的な変化じゃないけれど、じわじわと自然に変わって行くような感じだったんだと思います。
それは、簡単な言葉で言うと、「仏さま、好き好きー。」って感じですかねぇー。
決して、信心深くなったって訳じゃありませんが、なーんか仏さまが好きだなぁー、と思うようにはなってきたのです。
友達には、「あたし、仏(ほとけ)マニアよ。」なんて言っちゃうようになっちゃいましたし、実際、仏像の本とか何冊も買っちゃったりしましたし。
NHKの国宝探訪とか見ちゃって、「ああ、素敵な仏さまー。」なんてウットリしちゃうようになっちゃったし。

まだまだ修行が足りないし、お徳もちっとも積んでない私なので、このくらいの変化しか無いのかもしれませんが、本人的には結構気に入ってます。
どのような形であれ、仏さまが身近に感じられるようになったのは幸せなことだと思うので。


帰宅してから、旦那さんがデジカメで撮った写真をプリントアウトし、スケジュールや泊まった旅館のサイトもプリントアウトして、キレイにファイリングしてくれました。
それを他にも2部作成し、オカンとお義母さんにそれぞれ渡していました。
オカンとお義母さんは、近所の人や友達にそのファイルを見せながら、自慢しまくってた様子でした。
娘夫婦(息子夫婦)にお遍路に連れてってもらった、というのは、私たちが思ってたよりもずっと嬉しいことだったみたいでしたので、好きなだけ自慢させてあげました。

少しは親孝行できて良かったなぁー、と思いました。
…これが一番の感想かもしれませんね。

おしまい。