その4.5

■□■ カウンターパンチ ■□■

『書類提出から3カ月間、何の変化も無いまま日常生活が過ぎていきました。』と、書きましたが、3億円事件については変化なしの日常でしたが、仕事の面では大変でした。
いえ、仕事そのものが大変だったのではなく、環境変化と人間関係が大変でした。

私の席は名古屋の事務所にあるのですが、仕事を管理してくれてるのは別の所という形で仕事していました。
その管理元で人の異動があり、今まで通りの環境では仕事がしにくくなることが明白で、ちょっと困っていました。
そこで、それについて名古屋のリーダーさんに、名古屋の別の部署に異動できないかを相談しようとしたのです。

すると、タイミングが悪かったのか、リーダーさんが私に対して日頃思っていた不満を一気にまくしたて始めました。
悪い人ではないんですが、スイッチが入ると気が済むまで言わないと収まらない人なので、最初は黙って聞いてました。
しかし、心も体も弱ってるという状態だったので、普段なら聞き流せる言葉も聞き流せなくなってしまいました。
んーー。ていうか、すご〜〜くショックな一言を言われちゃったんですねぇ…。
もちろん、後から友達に愚痴って泣いて、その言葉はちょっと言い過ぎだよね、と友達に言ってもらって、「あ、やっぱり?」とも思ったんですが、ダメダメでした。
旦那さんにも慰めてもらったんですが、ダメダメでした。
弱ってるところにガーーーンとカウンターパンチをくらったようなショックを受けてしまったので、情けないことに立ち直れなかったんですね…。

えっと、念のため書いておきますが、そのリーダーさんを責めるつもりでコレを書いてるんじゃないんですよ。
ただ、ほんとにタイミング悪く、私にとっては一番キツい言葉を言われたので、もぉーへなへなになってしまった、って自分の事実を書いてるだけなんです。
あらためて、言葉の威力ってものを思い知らされ、ある意味、とてもいい経験だったと、今では思えますし。

というわけで。
自分自身ではどーにもこーにもならず、信頼している昔の上司に相談した(いや、泣きついた)ところ、心配してくださり、いろいろ助言をしてくださいました。
その助言に従った結果、今の課長に拾ってもらえることになり、仕事そのものも以前の席にいた時より、格段にしやすい環境になりました。

そうなんです。
結果的にはOKなんですが、体調不良から始まって、いろんな問題が一気に表面化してしまったため、ほんっっっとに精神的にも身体的にもしんどかったんです。
後から考えると不思議だなぁ、と感じたんですが、でも、人生ってそーゆーものなのかもしれないな、と思うようになりました。
ピンチって、1つずつやってくるんじゃないんですね。
誰の人生にも解決すべき問題は内包されていて、それは連鎖的に表面化してくるものみたいなんです。
そして、それは必ず乗り越えられる問題だと思うんです。
まだ無理だって時に、神さまや仏さまがそんな難題を解けと言われる訳ないですからね。

なーーんて、悟ったようなこと書いてますが、そう思えるようになってきたのも、いつもお世話になってる霊媒師さんとお寺さんのおかげなんですねぇー。ははは。


■□■ うちの親父さんは何者よ? ■□■

3億円事件も含めて結果的にはOKと、今では言えることばかりですが、当時はへなへなになっていた私。
とりあえず、3億円事件のこのについて、お父さんがどう思ってるのか知りたいなぁ、と思い、いつもお世話になってる霊媒師さんを訪ねました。
(普通の人は、そーゆー発想にはならんかもしれませんが、私やおかんにとっては至極自然な発想なんですねぇ。)

相談を始めるとすぐに、霊媒師の先生が言いました。

「そんな借金、払わなくていいよ。」

「へ?」と思いました。
実は、この前に、面白い記事を旦那さんが見つけていました。
銀行の不良債権って、銀行が全部処理できる実力が無いため、債権を債権回収会社に売ってることが多いそうなんです。
で、その売り方なんですが、一盛り幾らの叩き売りってーのが多いそうなんです。
なので、額面では○○億という債権に対しても、「いやー、どうにも払えないんです。」と債務者が言ったところ、債権回収会社の人はどんどん値引きして、最終的には「じゃあ、○百万なら払えますか?」なんてことになっちゃった、という実話が載ってたんです。ある雑誌に。
その記事を読んだ後だったので、先生の言葉を聞いて、『ウチもそんな感じになるのかしら?』なんて思ってしまいました。

先生は、どうなるとは具体的には言いませんでしたが、目をつぶって何かを数えた後、「この問題は、3カ月後には片づくから安心しなさい。」と言いました。
(実際、裁判所で判決が出たのは3カ月後でした。)
そして、ウチのお父さんの話をしてくれました。

お父さんは、スゴい技術者だったのに、商売が下手というか、とにかく人に儲けさせてばかりで、死ぬまで借金がありました。
でも、それって、ご先祖さまのお金にまつわる因縁をすべて解消するためだったと言うのです。
もちろん、お父さん自身はそんなつもりは毛頭ありませんでした。
けれども、お父さんの魂はそれを自分に課して生まれてきたんだそうで、それを実行してきたお父さんは、「よく頑張ったね。」ということで、あの世でもちょっとイイところに居るんだそうです。
普通は、あの世にちゃんと行った霊ってーのは、この世に来て現世の人にいろいろ手助けすることはできないそうなんですが、お父さんは神さまに特別許可をもらって、あの世とこの世を結構自由に行ったり来たりできるそうなんです。
でもって、借金発覚直後に、あんなに旦那さんが冴えていたのも、あれはお父さんの『代わりにやってもらってた』ってことなんだそうです。
(ちなみに、旦那さんは、「俺ってなかなかやるじゃん。」と思ってたらしく、この話を聞いて、ちょっとガッカリしたそうです。「ああ、自分の力だけじゃなかったのね〜。」って。)
3億円事件についても、お父さんの最後のお仕事だと、先生は言いました。
もちろん、普通は死んでからもお仕事をするってーことはないんですが、これまた特別処置らしいのです。
…まったく。ウチのお父さんって、何者よ?

けれど、それを聞いたらなんだか嬉しくなりました。
お父さんのお仕事を家族みんなで一緒にやってるんだな、と思ったら嬉しくなるってもんです。
それまでは、財産放棄はできるんかな〜?と不安は常にありましたし、その他の心を煩わされてる問題についても悶々としていましたが、心がすーっとしてきたのです。

まだまだ修行が足りない人間ですので、時々、ふと不安になることはありましたが、先生にお父さんのことを教えてもらってからは、心の落ち着きようは格段に違ってきました。
3億円事件も、仕事のことも、やるべきことはやったんだし、あとはなるようになるさ、と思えるようになったのでした。




その5を読む(ごめんなさい。未稿。)