◆産後の肥立ち◆
中程度の出血があった私。
悪露も自分で想像していたよりたくさんありました。
トイレに行くのも思っていたより非常に難儀でした。
多分、34歳という年齢のせいもあると思います。
生物として、ヒト科としては30歳過ぎての初産なんて、ちょっとアカンのでしょうね。
(そして、身体が元に戻る力というのも非常に低くて、結局元の体型には戻りませんでした。お腹回りがブヨブヨに…。)
しかし、一番難儀だったのが頭痛でした。
普通分娩だったので、1週間で退院したのですが、退院前日の夜からヒドい頭痛になってしまいました。
久々の偏頭痛かと思い、鎮痛剤を処方してもらいました。
確かに鎮痛剤は効きました。
が、薬が切れるとすぐにヒドい頭痛になるのです。
…おかしい、と思いました。
何がおかしいって、横になると頭痛がヒドくなり、身体を起こしていると比較的楽なのです。
これは偏頭痛じゃないな、と気がついたのは退院してからでした。
1日だけ旦那さんのお母さんに名古屋の私たちの家に来てもらってたのですが、その時お義母さんに相談したところ、
「それね、私もなったのよ。それで血圧を計ったらものすごく血圧が上がってて、すぐに病院で注射してもらったよ。」と教えてくれました。
そうか。血圧が上がってるのか。
と、思い、家にある血圧計で計ってみたら、上が120。
それまで上はせいぜい90だったのに、いきなり30も上がってます。
これが頭痛の原因なのかな、と思いましたが、病院ではこれくらいの血圧では鎮痛剤しか出してくれません。
さすがにずーーーっと痛いし、寝れないし、鎮痛剤ばっかり飲んでるのもイヤだし…、ということで、いつもお世話になっている漢方薬の先生のところに駆け込みました。
「なんで来るの!ちゃんと寝てなさい!!」
と、いきなり怒られました。いつもは温和な先生に怒鳴られました。
…だって先生。痛いんだもん。頭痛いんだもん。困ってるんだもん。うえーん。
「産後で血の道が騒いじゃってるんだね。これは中将湯だねぇ…。いい?絶対にテレビも新聞もダメだからね。目を使っちゃダメだからね。とにかく1か月は赤ちゃんのお世話以外はお母さんに頼って、後は寝てなさい。」
と、諭されました。
はい。先生。ちゃんと言われた通りにします…。
実は、出産前に後輩の奥さんに言われてたんです。
彼女も同じような状態になったそうで、病院ではとにかく横になってた方がいい、友達がお見舞いに来ても横になってた方がいい、目は使わない方がいい、と教えてくれてたんです。
彼女のアドバイスに従って、目はあまり使わない(本とか新聞とかテレビとかは避けていた。)ようにしていましたが、産後で身体が興奮してたみたいで、寝れないんですね。
ついつい、身体を半分起こしてることが多かったのです。
それがいけなかったんでしょうね…。
血の道が大騒ぎしてしまったのでした。
昔から産後はできるだけ横になってて目は使うなと言われているそうですが、昔の人の教えはちゃんと守った方がいいんだな〜、としみじみ思いました。
おかげさまで、中将湯はすぐに効いてくれまして、頭痛もすぐに良くなりました。
でも、血の道がしっかり治まるように1箱分飲みきりました。
「昔からある薬がやっぱりいいんだねぇ。」とオカンも唸ってました。
産褥期に無理すると、更年期障害がヒドくなりやすいとも後から聞きました。
私は頭痛のおかげで無理することもせず、オカンに頼りっぱなしで産褥期を過ごすことができました。
母親というのは、何歳になっても有り難いものですね。とてもとても有り難かったです。
いろんな事情で産褥期であっても誰の手も借りられないという人もいると思いますが、できればお母さんたちみんなが産褥期はゆっくりできるといいなぁ、と思いました。
お産はね、産む時だけが辛いんじゃないんですね。
妊娠中は妊娠中で私はよく地下鉄でぶっ倒れていたし、お産はもちろん痛かったけど、産後は産後で頭痛もヒドいわ、吸いつかれる度に乳首は痛いわ、子宮がどんどん元の大きさに戻っていくからお腹が痛いわ…で、痛いことだらけでした。
頭痛とは別の意味でめっちゃめちゃ痛かったのが、お乳マッサージでした。
まだ詰まってる乳腺を開通させるためにマッサージをしてもらうんですが、これがめちゃめちゃ痛い!
ほんと、シャレにならんくらい痛いです。
涙出ますよ。
「…なんでこんなに痛い思いばっかりせんとアカンのやろ。」と、愚痴も出ちゃいました。
旦那さんに叱られましたけど、痛いのは私やん。あんたは痛くないやん…と、心の中でまたまた愚痴ってしまいました。
それくらい痛いことづくしだったんですよね。
でも、こうやって辛い思いをたくさんして育んできた命ですから、自然と我が子が大切に思えるようになるんでしょうね。
そして、こうやってオカンは私たちを産んで育ててくれたんだなぁ〜、としみじみ思いました。
親になって初めて親の有り難さを実感しました。